ネットオークションにおける「美少女」手描きイラスト

ネットオークションで、たまに手描きのイラストを落札してみることがある。いわゆる「同人手描きイラスト」というやつで、大部分が版権キャラやオリジナルの女の子の絵なわけだ。色紙が多いけれど、ハガキ、イラストボード、画用紙、A4、B5などいろいろある。
やはり「上手い」作品は、5000円以上、1万円以上で落札されるものもよく見かけるし、アダルトカテゴリーの作品は、基本的に人気があるようだ。まあ、私のような貧乏人にはそんな競争率の高い作品はあまり縁が無く、「これはどうしても欲しい」という特別な場合は、資金の許す中で追って見ることもあるけれど、基本的には、あまり入札されていない、安価で落札できそうなものを狙う。そして、ただかわいいだけの絵ではなく、なにか引っかかるなあというものを探して見る。オークションは販売を第一の目的としているのだから、基本的には売ることを考慮した作品がほとんどで、売れ線というものがあるわけだ。それは先ほども書いたけれど、上手、綺麗、かわいい、エロ、といったものが分かりやすい。笑顔を描いている作品が多いのも、そういう根拠だろうか。ただ、そういう作品の中にはどうしても「媚び」というものが見えてしまうことがある(いや、それも嫌いではなく好きなんだけど。やっぱりかわいいものはそれだけで正義ですよ)。そうではない、多少デッサンが崩れていても、版権キャラの場合、似ていなくても、何か感じられる作品というものもある。それらは往々にして、あまり人気が無いように思う。その中から、これはいいなあと思える作品を探すのが私の楽しみ方だ(書いていて、高いものが落札できない僻みが含まれているような気もしてきた…汗)。一生懸命さや、キャラクターへの思い入れなどが感じられる、そういうものを探している。初めて出品します、という作品もよいイラストが多いように思えるのは、今書いてきた理由によるのだろう。
あまり関係ないのだけれど、出品者が、女性か、男性かによっても、作品の傾向がかなり違ってきていることも感じる。着目して描かれるポイントが違うということ(出品者は女性が多いように感じる。落札者は、たぶん男性がほとんどなんだろうなあ。出品されている作品を見ても、男性の目を意識しているものが多いしなあ)。
うーん。女の子のキャラクターの作品ばかりなのは(それとも私の探し方が悪くて、本当は他の種類の作品もあるのかもしれないが)、需要との関係なのか、オークション参加者の層との兼合いなのか、どうなのか。でも、人物を描いた作品は、絵としては、風景作品や、その他の作品よりも、多くのことが込められているだろうし、そういう意味でも、何か面白い。
作品を送ってもらって実際に実物を手にした時、これはやはりいい作品だ、と感じた場合は、したがって勝手ながら感想のメールを遅らせて頂いたりもする。作者の方との、直接の交流が、コミュニケーションが出来るというのも、醍醐味なのだろうと思っている。
「手描きの作品である」という点も、やっぱり重要なんだろうな。1点物であって、それしかない、他に同じ物がないという価値。さらに、描いた人の痕跡が、思い入れが、作品の中に強く残っているというのがあって、それがわかるということが重要なのだろう。あくまでも印刷物ではない、複製芸術ではないという、その点。ネットオークションのイラスト出品というもの、個人が、個人の思い入れで描いたよい作品を、気軽に、手に入れることが出来る場として、面白いなあと感じている。