『PRINCESS WALTZ』雑記5

結末まで。
さわやかな読後感。面白かった。
以下、ネタバレあり。


考えてみた。先日書いたように、なぜ第2章最初のあたりに、七皇の登場に、厚みのなさを感じ、違和感を覚えたのか。
この作品においては、序盤からすでに、プレーヤーに見えていないこと(伏線など)をほのめかす場合において、かなり明示的な示され方が行われている。そのために、言葉を尽くすことが、よく見られた。
それは演出の方法だし、物語の語り方として、有効なことも多い。ただ、本作において、あの千年の物語を披露するには、少々その流儀が力不足だったという感は否めない。読者に対して実直すぎるのかもしれない(好感の持てるところなのだが)。その重みを支えるためには、ある種過剰ともいえるほどの、暗示の蓄積が有効だったのではないかと思う。
後は、軽やかな、コミカルな空気に適したグラフィックだったということも大きいが。
ただ、終盤にかかるにつれての最加速の中で、そんなことは気にもならなくなっていったのも、確かだ。


さて。
ヒロイン4人からの合身相手の選択。なるほど、ここで分岐があるわけか。
迷ったが、無論、まずはルンルンを選ぶよ。まったきの私自身の判断というよりは、ルンルンの想いの強さにやられたという感じ。それを成就させなければならないと、これまでの彼女のありかたに思わされた。
第一、偶然OPムービーに行き当たり、作品の具体的内容に興味を持ち、栖哩さんの言葉の後押しを受ける以前、もっともはじめに本作に対するおぼろげながらの関心を抱いたきっかけが、実は、こちらの「レンスタンツァ第七治安維持艦隊広報部謹製ルンルンブロマイドNo1」(5月13日トップ絵)だったりするわけで(笑)。それ以来、店頭でパッケージ見ると気になってそわそわしてましたねぇ。そんなベースの上に、複数の信頼すべき方々からすすめていただいたので(感謝いたします)、もうね。
ある意味、ルンルンのためにプレイしてた部分もずっとあったりしますから(クリス一押しではありますが)、当然、もっとも印象に残るであろう初回は彼女で、ですよ。この絵を見てから半年以上かけて、ようやく果たすことが出来た想いですねー。
かなりありがちではありますが、金髪ツインテキャラはやっぱり結構好きみたい。私における、その大元は『Clover Heart's』体験かと思いますが、このところ『カノギ』といい、もちろんフェイト(『リリカルなのは』)もそうで、連続でグッときているなあと。
加えて、「黒」がそこに組み合わされると、もう大満足ですね。リボンは一番、服装であれ。
ですから、えっちシーンの前に、制服を持ってきてくれたのは、非常によい仕事かと。ことさらくつ下が黒なのはすばらしいと。それは、改めて強く指摘しておきたいと思います。
バトルに視線を移せば、対エルダーガードナー戦。G○ンダムかよっ、と突っ込んだことは書いておく。「愛の絶対氷結(ラブソリュート・ゼロ)」て(笑)。というか、ダジャレだし。


対セントラルガードナー戦。
これぞラスボス戦という、パーティーバトル。燃える連携あり、そして不可欠なお約束である、挿入歌も押さえた要を得たもの(ただ『dissonant chord』はシーン中にループしないほどの長さがあれば……惜しい)。雑記2で書いた、第8話の戦闘の緊張感に匹敵するものがあった。
そして、「ばかもの」。そう、これ! 長らく待ち焦がれたこれを再び聴くことができなければ。


終えてみれば、なんともこの作品は正統派であったのかもしれない。ゆえに、残る感覚はさわやかなもの。
だけれども、その内に、あのクリスと新の不思議な関係を秘めている油断のならない作品。その点を手放しで絶賛したい。私の中に新しい何かを開いてくれた気がする。


さて、まだタイトルバックの六角形には紋章が2つのみ。まだ新たに見えてくるものもあろうし、今しばらく楽しみたいと思います。