「やさしさ」とか「まじめさ」とか。

ある人の、一見しただけでは姿勢として受け身と見られる質って基本的に評価されないよなあと思う。というか、結局のところ評価の埒外というか、それは確かに存在してはいるのだけれど、評価されるもの、基準の範疇ではないところにある(少なくとも評価されにくい)。動的な、どちらかといえば映えるダイナミックな性質が喜ばれるというか、誰かを好意的に評する時の対象だなと、突き詰めてみれば、現実において(ごく当たり前っちゃあ当たり前のことなんだけれど)。でも見たところ静的な性格は、実は受動的なものではなくて、それらもまた動きを持ったもののような気がする。
『なのは』シリーズでも、いや特に『とらハ』シリーズについてそうなのだと思うけれど、この作品たちの中には、そういう静かなものたちが、ある瞬間に発揮するような鮮やかな所作や動作やしぐさを、それこそまじめにやさしく描かれてるからこそ、だから好きなんだよなあと。
というようなことを、学研の『なのはアンソロ』を読んでいて、それをきっかけに、ほとんど内容とは関係なく久々に妄想したりした。